【刀子】
「はぁぁぁぁッ!」

 刀を構え、肩のところまで抱え上げる。着地と同時に滑り落ちては何にもならない。

 故に――着地する寸前で、車を叩き斬る!

【刀子】
「一乃谷流――鋼獅子ッ!」

 車のボンネットに、斬妖刀が突き刺さった。半ばまで埋もれた刀は、一乃谷刀子の剛力によってずるずると内部へ浸透する。

 刀が、車を喰っていた。
火花を散らしながら、鉄を裂いていくその様は、技の名の通り、餌と見定めた動物を引き裂く獅子の歯のようだった。