『propeller』
[きっと、澄みわたる朝色よりも、]
■あらすじ
互いの希望を持ち寄って、夢を語ろう。
そうすれば、そこに仲間ができる。
互いの思いやりを持ち寄って、重ね合わせよう。
そうすれば、そこに絆が生まれる。
互いに手を取り合えば、そこには────
──俺たちは、全員揃って初めて「俺たち」だった。
子供の頃から一緒だった。
何をするにも、何処へ行くにも。
他の何にも替えられない仲間たち
――その名を『四君子』。
……例え、離れ離れになったとしても。
決して色褪せない絆が、そこにはあった。
あれから幾年月が過ぎ去って、遂に再開の機会が訪れた。
芸術家志望の霊峰、あの憧れの夢見鳥学園で。
たった四人しかいない、そのクラス。
けれど充分な、そのクラス。
あいつらしかいない、そのクラス―――
――だが。
「“仲間ごっこ”は卒業しよう」
突きつけられたのは現実。
生じたのはよそよそしさ、噛み合わないのは届きそうで届かない距離。
俺たちはいつまでもあの頃と変わらない――そんな事を信じていたのは自分だけだったのか。
……きっかけがあった。
『彩生祭』。
……振り分けられた色があった。
『赤』。
だから俺は誓った。
きっとまた、あの頃のように一緒にいられる関係が築けると信じて。
―――あり得ない事をなし遂げてみせると、誓った。
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