かちり、という撃鉄の音。
観念すべきかもしれないという諦観が頭を過ぎる。
一番近くに居たリザードマンが、吼えながら銃を向けた。
そして――。
【雪】
「そこ動くな、トカゲェッ!!」
その言葉に、私の眼前にいたリザードマンが目を見開く。
跳躍した雪さんが、振り上げた“グラウストラ”を凄まじい勢いで叩きつけた。
頭が叩き潰され、さらに右肩まで切断――即死した。
彼女は素早く、私を車の陰に引っ張りこむ。
【雪】
「大丈夫!? しっかりなさい!」
【リック】
「……あまり大丈夫じゃなさそうです」