いつの頃からか、この世界に滲み出るように現れるモノがいる。妖怪。魔物。悪魔。乳飲み子を食らい、人を物言わぬ肉塊とさせるその『モノ』は、『鬼』とも呼ばれていた。
その鬼を、人知れず対峙してきた者たち、『退魔師』。彼らをサポートする組織、『ギルド』。彼らの存在は決して表舞台に現れることはないが、時の代表者すらも操り人形のように動かす、絶大な影響力を持っているという。
時は現在。都内で普通の学生を営む『坂上焔』。彼は何者かに連れさらわれ、気がついた時、巨大なフェリーに乗せられていたのだった。
焔の前に現れたのは、態度の悪い男『加治前』と、退魔師を名乗る少女『舞』『アーニャ』『夏帆』の三人。そして喋る刀『鬼取丸』。
あなたは私たちと同じ仲間なのだから、
「鬼を殺す刀、鬼取丸」を持って、鬼を滅ぼせ。
戸惑う焔は、船で出会った純朴な少女『千鶴』の協力を得て脱出をはかるが、失敗。そんな彼の前に現れたのは、本物の『鬼』だった。
巻き込まれるようにして始まった戦闘と、焔に共鳴する刀、鬼取丸。『鬼退治』が終わる頃、焔は自分の運命が変わりつつあることに気が付くのだった。
辿り着いた沖合の島で、焔は退魔師の少女三人らと同じ寮に住み、同じ学園に通う事となる。クラスメイトとなった『千鶴』の存在は、生活が激変した焔にとって何よりの良薬となった。ギクシャクしながらも、少しずつ心を通じ合わせながら日々の生活を送っていく焔達。
平和な日常に慣れ始めた頃、千鶴が『鬼』に襲われる事件が発生する。逃げまどう生徒たち、つい先ほどまでクラスメイトだった友達が、死体となり鬼に食らわれていく。
生き残るため、人々と仲間を護るため、愛する人を救うため。
焔たちの戦いの幕が開くのだった。