第22回
「オレオレオレオレ」
ぷろ助（仮）
しくしくしく
ぺら子（仮）
泣くのはいつものことだが、さすがにどぐされトーキン開始早々というのは初だな。どした、ぷろ助
ぷろ助（仮）
ひっく、なけなしのお金を騙し取られたんだよぅ
ぺら子（仮）
騙し取られた？ そりゃまたどうして
ぷろ助（仮）
ほら、よくあるじゃん。オレオレ詐欺とかってさ……
ぺら子（仮）
あー……ぷろ助ならいつか引っ掛かるかもと思っていたけどさ
ぷろ助（仮）
「もしもし、お兄ちゃん？ わたしわたし。事故に遭っちゃって、百万円必要なの」って言われてつい……
ぺら子（仮）
オレオレ詐欺ならぬ、わたしわたし詐欺か。妹に甘いのねぇ……って、ちょっと待てぷろ助、アンタに妹なんていたっけ？
ぷろ助（仮）
うむ、いるとも。脳内に
ぺら子（仮）
な ぜ ひ っ か か る お 前 は
ぷろ助（仮）
し、仕方がなかったんだよぅ！ 一生に一度くらい、妹に頼られたかったんだよぅ！
ぺら子（仮）
あんた……よく今まで世間の荒波を乗り越えてこれたわね
ぷろ助（仮）
ちなみに妹の携帯電話に振り込んだと返答しようと思ったんだが、通じなくてな
ぺら子（仮）
心配しなくてもアンタなら、その内１２人くらいかかってくるわよ、妹から
ぷろ助（仮）
ホント！？ うわぁい、イモート、いもーと〜♪
無邪気に喜ぶぷろ助に、涙を隠しきれないぺら子であった
ぺら子（仮）
……あたしも今からマニュアル読んで練習しとくか……